トップスピードで走って、 一回ピタッと止まる


「息子は内野手なのですが、
 遠くのボールが取れません。

 守備範囲を広げるためには
 どうすればいいでしょうか?」


こんなご質問だったと思います。


まず前提としてお伝えしたいのは
内野手の動きは直線ではなく、

『横を向きながらの移動になる』
『中腰姿勢の捕球が必要になる』

ということです。


つまり、内野手においては、
基本の足の速さも大切なのですが、
特殊な動きが必要なのです。


だからこそ、
直線のスピードではなく、

・サイドステップ
・中腰姿勢での動き

など、

内野手としてのスピード”

を高める必要があります。


そこで本日は、

『守備範囲を今よりも
グッと広げる練習法』

について解説をして
いきたいと思います。


盗塁のスタートにおいても、
守備と同じ横の動きなので、
この練習が役立ちます。


守備の場面で華麗な捕球を
成功させたい方はもちろん、
盗塁を早くしたい方も
ご覧になって実践して下さい。


さて、早速解説していきますが、
トレーニング方法のポイントは、

“止まった状態から
反応のあとの10mを
いかに早くできるか”

ということになります。


内野手の動きは限られた
歩数の中での動きになるので、
普通のダッシュを練習しても
大きな効果は発揮できません。


また、1方向でもないので、

・前
・左右
・後ろ

考えられる限り、
全ての方向への
動きが要求されます。


だからこそお勧めしたいのが
十字の動きを訓練する、

『クロスダッシュ』

と言う方法です。


~~~~~~~~~~~~~

1.半径3mの円の中に作った、
十字のセンターに立つ

2.3m前にダッシュしてから、
  止まって、後ろ向きで走る。

3.バックで後ろ側まで走ったら
  切り返してセンターまで戻る

4.センターから右側に
サイドステップでダッシュ。

5.反対側から切り返して
センターまで戻って終了

~~~~~~~~~~~~~


片道3mではありますが、
全体を見ると走行距離は、
24mほどになります。


切り返しが非常に多くなるので、
多方向のダッシュ力を高めるのに
非常に有効なトレーニングです。


そして、守備能力を伸ばすなら、
他に要素を追加すると、
より効果的な練習ができます。


捕球動作を考えて、

◆地面にタッチしてから
 方向転換をする
◆地面にボールを置いて、
 拾ったり、置いたりする

ということです。


いずれにしても、
方向転換のメリハリをつける
ということが重要です。


ゆっくりスピードを抑えて
走るのではなく、

『トップスピードで走って、
一回ピタッと止まる』

ということを意識して下さい。


場所が限られている時は、
前と横の動きのみにしてしまい、
『Tダッシュ』
を行うのもいいでしょう。


さて、ここまでお話しましたが、
いかがだったでしょうか。


以前お話ししたかもしれませんが
この練習をしてみると、
外野手と内野手でスピードに
大きな違いが出てきます。


外野手はサイドステップを
踏む機会がないので、
必然的に横の動きが多い、
内野手の方が早くなるのです。


息が上がる練習だと思いますが、
この練習法をやっておけば、

『トップスピードで走って、
一回ピタッと止まる』

等、動きを意識することで、
質は一気に上がります。


『いかにスタートしてから
横の3歩を早くするか』、

これが守備範囲を広げるために
本当に重要なことになります。


内野手の皆さんは是非、
この『クロスダッシュ』を
挑戦してみて下さいね。